「はじめての課長の教科書」酒井穣 

今ウェブで話題爆発の本。著者は1972年生まれで慶應義塾大学理工学部卒。あら、俺と同じ大学、学部の同期っぽい。


って、も、もしかして、、酒井ってあの酒井ーーーーーっ!?!?!?!?まじかーーーーーーーっ!?!?!?!?


うそです。知りません。でも1971年生まれで理工学部の管理工学科にいました。一年浪人してます。二年生で留年も。


ということで?大変興味深く読みました。いやーめっちゃ面白かった。仕事に関するいろんなことを思い出し、考えさせられました。おーだいたいいい感じなのねという部分と、まだまだま全然だめだーっという部分といろいろあった。普段の書評はメモとちょっとした感想程度であまり量は書かないのですが、この本に関しては僕自身の話をメイン!にざっくばらんにいろいろと。

タイムリーなことに、僕は今年から課長職に就きました。100人規模の受託系SI会社なので、いちおう世間一般の企業の課長と同じくライン職の末端だけど、仕事の内容はほとんど実務と現場の管理でほんのちょっとだけ経営的なことや予算的なことが加わった程度です。また、会社自体が課長職を作ったのも今年からで、僕は、最年少、中途採用、二階級特進の異例づくめでした。仕事のできる仲の良い後輩の感想は「棚ぼたですね。」。僕もわりと同感。でもまわりを見渡せばまー消去法でいーのかなという感じです。えへっ。

課長になって変わったことは、これまで飲み会ではよく最年長だったり最年少だったりしたのですが、シラフの会議でも最年長だったり最年少だったりするようになったことです。元々、世代の合間や利害関係の対立の間に入ることが多かったので、この本で「ミドル・アップダウン」と表現されている課長の役割は、僕は比較的得意技かなと思ってます。というか逆に今、誇れるのはその一点だけかなと。

この本を読んでいて、楽しかった頃のことを思い出しました。20代の後半に数年感、十数人のソフトウェア開発チームの実質的なリーダーをした頃のこと。20代前半のおねーさんも30代後半のおじさんも残業100時間を軽く超えちゃうような激務で、僕や主要メンバーは毎月150時間とか200時間とかの残業続きだったけど、最後まで仲良く楽しくうまくやれました。当時の社長にしょっちゅー「厳しいお客さんで厳しい状況が続いてるのにキミがリーダーでなんでうまくいってるのかわからない。」と言われていて、自分でもよくわからなかったけど、記憶にあるのはこれくらい。「賢くてやる気があるメンバーに恵まれた。」「リーダーはたんなる役割という位置づけを徹底した。」「適材適所になるような役割分担だけは真剣に考えた。」「メンバーの前でため息をつかない。」「どんな状況でもユーモアを。」どんだけ激務でもよく朝まで飲みに行き、夏には伊豆に旅行に行ったり、この本に書かれている「課」というものの理想に近い状態だったかもしれないと思いました。

社内政治についての章があったので、100人規模のSI会社の場合について。僕の最初の会社は群雄割拠な感じの会社で、それなりに社内政治っぽいことがありました。人のアサインなどの重要なことが、喫煙室とか居酒屋で仲の良いおじさん達がヒソヒソ話して決まることも多かったし、いろんな誹謗中傷も多かった。今の会社は、圧倒的なキーマンが一人いて、あとは社内政治ごっこという感じで、あんまり激しいのはなさそう。両方見て、少々汚いことや無駄なことがあったとしても、社内政治を伴う群雄割拠な状態の方が楽しいかなーっということを思っています。結果的にだけど、独裁政治は少し息が詰まる感じがします。

問題社員、Cクラス社員の話もあった。僕の経験では「能力は低いけどやる気がある」人が一番困った。なんのために作ったのか聞いても答えが返ってこない意味不明で間違いだらけで他の資料と内容が重複している1000ページを超える無駄な資料を徹夜で作って勝手にお客さんとの会議で披露する先輩とか。「頼むからなにもしないでくれーっ><」という感じ。この本にある通り、ちょうどよい仕事を探すのって大変です。いや、他の人にってだけでなく、自分にちょうどいい仕事ってのもね。

「昇進させる部下を選ぶ」という章に『必ず「本物」を昇進させる』という言葉が出てきてグッときました。そう、自分と合う合わないとかとは別に「本物」かどうかって重要。厳しい状況になることが多いIT業界では、僕は「胆力」みたいなものがキーになると思っています。前の会社でも今の会社でも僕より若い人で何人か僕より「本物」度が高いヤツがいた。ここをちゃんと認めることは重要だと思う。だから年功序列はやめて20代からリーダー経験積ませろーっと今の会社には言いたい。

さて、この本を同世代のやった仕事の成果物という目で見ると、とくにとびっきり目新しい内容とかはなかったのですが、今の僕には経験的にも技術的にもこのレベルの質量の仕事はできないなーっと思いました。この差は・・まーいろいろあるんだろうけど、まわりで飛び抜けて仕事ができる人は、みんな国外にいた経験があるなーっというのが気になってます。『「外国語を知らない者は、自国語も知らない」ゲーテ』ですね。転職と同じような効果があるのかな。転職はあるけど国外の経験が僕にはないー。あと、英語はコツコツ勉強しようと思いました。とりあえず読みだけでも。

最後に、世間の課長にはこの教えがちょうどいいのかなと。僕の大学の研究室の先生が生徒に向けて書いたものです。もしかして著者さんも知ってるかな。

GNN教の教え

あんまり本自体のことを書いてませんが、課長を代表とする中間管理職に必要なことがすっきりと網羅された素晴らしい本です。たまに読み返して自分の仕事に抜けがないかチェックするのに最適かも。いや、それよりなにより仕事がんばろーっという前向きな気持ちになれる本です。全てのビジネスマンにオススメ。

著書のブログ:「NED-WLT

はじめての課長の教科書酒井穣

コメント

はじめまして。

著者です。まずは本書のお買い上げ、ありがとうございました。そして、実体験に即した、すばらしい書評をありがとうございます。読み応えがあります。出版社の皆にも読んでもらいます。

ちなみに、少なくとも矢上ではすれ違っているはずです。ヒヨウラの定食屋では、席を隣にしたこともあるかも。研究室対抗サッカー大会なんかでは、もしかしたら対戦してたりするかもです。義理人情浪花節の教えは、僕の研究室にはありませんでしたが・・・(笑)。

「とくにとびっきり目新しい内容」と評されるよう、次回作ではもっと頑張ります(笑)。今後とも、よろしくお願い致します。重ねて、御礼申し上げます。

おー矢上、ヒヨウラ、、懐かしいすー。

>「とくにとびっきり目新しい内容」と評されるよう

あいや、褒めっ放しじゃ悔しいので・・

ほんとに久しぶりに面白くて夢中で一気に読めました。こちらこそありがとうございます。次回作を楽しみに待ちます。

ではでは。

  • [2008/03/02 18:23]
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  • Dora
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